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株式会社アテナ

初めて自分で買った「あずまんが大王」サントラと、劇伴との出会い

 私が初めて買ったアニメのサントラは、確か「あずまんが大王注1 オリジナルサウンドトラック Vol.1」だったかと思います。

今にして思うと、“劇伴”との出会いとしては出来過ぎなぐらい語るに事欠かない名盤ですが、購入のきっかけは、ただ“好きな作品の関連商品だから!”という超単純なものでした。

というのも、本サントラが発売されたのは2002年。今ほど世にアニメグッズは溢れておらず、アクスタもぬい※注2も無ければグッズを購入するためのECサイトも無かった時代です。

埼玉県に住むオタク小中学生だった私が「あずまんが大王」にハマったとて、生活圏内で手に入れられたグッズといえば下敷きやカレンダー、ガチャやプライズ商品くらい…。

母校にも貼られた伝説の「手を洗おー!」ポスター※注3はどこにどう連絡すれば個人で入手できるのか…毎日そればかり考えるくらい、とにかく作品グッズに餓えている状態でした。

そんな当時の私が手に入れられる本作の関連商品として、主題歌やキャラソンCDに続き手を伸ばしたのが、このサントラだったのです。

※注1「あずまんが大王」とは、「よつばと!」などを手掛ける漫画家あずまきよひこ氏による4コマ漫画。10歳ながら飛び級で高校に編入してきた天才少女・美浜ちよらを中心に、個性的なメンバーが繰り広げる高校生活を描いた日常系コメディ。原作漫画は2000年前後に連載され、アニメ化もされた。

※注2ぬいぐるみのこと。

※注3「あずまんが大王」のキャラクター達が描かれた埼玉県による手洗い推進ポスター。今ほど官公庁とアニメ・漫画とのコラボが一般的ではなかった当時、突如埼玉県内の学校等に貼られ作品ファンを驚かせた。

こうした少し不純な動機で手に入れたこのサントラですが、幸運なことに、それが私にとってアニメの“劇伴”の面白さや奥深さに触れる原体験ともなりました。

本作の劇伴を手掛けたのは“栗コーダーポップスオーケストラ”。

「ピタゴラスイッチ」と聞くだけで頭の中に流れる“あのテーマ”を手掛けた、栗コーダーカルテットのメンバーの方々を中心とした音楽ユニットです。

しかし当時はそんなすごい方々とはつゆ知らず、『(年齢的に自分も現役で演奏していた)リコーダーでこんな楽曲ができるなんて超すげー!』とただただ感動したのを覚えています。

しかもその楽曲と音色がこれまた「あずまんが大王」にぴったりで…!

4コマで描かれるあの独特な空気が映像化された時に流れる音楽として、もはやこれ以外には考えられないほど作品の世界観にマッチしたものでした。

そうして当サントラを聴きこむうちに、当時改めて気づいたこともあります。

それはアニメの劇伴が、夕方のニュースやバラエティーなど、アニメ以外の番組でも頻繁に使われているということです。

中でもこの「あずまんが大王」の劇伴はそうした番組で使用される頻度が特に高く、アニメを視聴したことが無くても楽曲に聴き覚えがある人はかなり多いのではないかと思います。

(ぜひ冒頭のリンク先から楽曲を試聴してみてください。知っている曲があるはずです)

それ以降、意識してみると本作サントラ以外にも、アニメの劇伴が驚くほど様々な番組で使われていることに気づくことが増えました。

同じアニメの音声でも、主題歌や声優さんの声より触れる機会が少ないようでいて、実は劇伴は思った以上に、身の回りに溢れる身近な音楽でもあったのです。

それでもあまり馴染みがない人にとっては、まだまだ主題歌などと比べると、いざ“劇伴を買って・聴く”というのはなかなかハードルが高く感じるかもしれません。

そんな方にオススメなのが、まずは作業用BGMとして劇伴に触れてみるという方法です。

インストゥルメンタルが多いアニメの劇伴は、勉強や仕事をする際、集中を妨げず、かつお気に入りのシーンで流れる楽曲がやる気を盛り上げてくれたりします。

もちろんそこで音楽知識があれば、使われている楽器や音楽ジャンル、コード進行やリズムから楽曲を深く分析してより楽しめるのだろうなーと思わなくもありません。

しかしそんな音楽知識ゼロの自分でも、聴いているだけで大好きなシーンが思い起こされて、熱くなったりわくわくさせてくれたりするのがアニメの劇伴の懐深いところです。

様々な作品に触れてみて分かったのですが、劇伴は『聴くぞ!』と意識して作品視聴をしていなくても、気づかぬうちに、驚くほど記憶にしみついていることがあります。

特に大好きで繰り返し視聴した作品ほどその傾向は強く、改めてサントラで視聴した際に、楽曲が流れるシーンが自然と頭に思い浮かんで『いつの間にこんな聴き馴染んでたんだ』と驚くこともありました。

劇伴はそのように、作品を視聴する際、映像や声優さんのお芝居といった他の要素を差し置いて目立ったり、そればかりが印象に残ったりする存在ではありません。

それでいて、それが欠けてしまえばそのシーンは成立しない、この世界を構成する光や酸素のような存在であると、個人的には思っています。

公式サイトhttps://king-cr.jp/special/azuma/より引用

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