2022年春に第1期が放送されたサッカー漫画『アオアシ』のTVアニメ続編、『アオアシ Season2』が2026年10月4日からNHK Eテレで放送されることが発表された。毎週日曜の夕方5時という、まさに親子でスポーツ中継を観るような時間帯。原作の熱をそのまま音にしてきた作曲家・横山克が、続投で音楽を手掛けることも明らかになっている。約4年ぶりに“あのピッチの音”が帰ってくる。劇伴ファンとしては、放送開始よりも先にサウンドトラックの続報が気になって仕方がない。

4年越しの続編、音楽は横山克が続投

『アオアシ Season2』は、主人公・青井葦人が名門ユースチーム「東京シティ・エスペリオン」でついにトップ昇格を目指す「Aチーム編」が中心となる。監督は横山和基、シリーズ構成は横谷昌宏、制作はトムス・エンタテインメント。オープニングテーマはロックバンドの10-FEET、エンディングテーマはシンガーソングライターのヒグチアイが担当することも発表された。主題歌の“熱さ”と“繊細さ”を、劇伴という土台がどう受け止めるのか——ここに横山克の名前があるのは大きい。第1期のサウンドトラックは全57曲・CD2枚組という大ボリュームで、ピッチ上の駆け引きや少年たちの成長を、管弦楽とビートの両輪で描き切っていた。その語法がSeason2でどう更新されるかが最初の聴きどころだ。

横山克という作曲家──オーケストラとエレクトロを往復する

横山克は1982年、長野県の生まれ。中学時代からシンセサイザーとコンピューターで作曲を始め、国立音楽大学作曲科在学中から映像音楽の世界に足を踏み入れた。代表作を挙げれば、アニメでは『四月は君の嘘』、映画では広瀬すず主演『ちはやふる』三部作、NHK連続テレビ小説『わろてんか』など、ジャンルも媒体も驚くほど幅広い。ももいろクローバーZをはじめとするアイドルへの楽曲提供でも知られ、世界各地でのレコーディングや、自ら組んだサンプリング素材によるサウンド構築をライフワークとしている。生のオーケストラとエレクトロニクスを自在に行き来する——この“往復運動”こそが横山克の署名だ。『アオアシ』はまさにその真骨頂で、緊張感のあるストリングスに硬質なリズムが噛み合い、試合の速度感がそのまま音になる。

「Aチーム編」で音はどう変わるのか

物語がユースの下部組織からトップチームへと舞台を移すことは、劇伴の“格”も一段上がることを意味する。第1期が「才能に気づき、居場所を探す少年」の音楽だったとすれば、Season2は「プロの入口に立ち、戦術眼を武器に勝負する青年」の音楽になるはずだ。より重心の低いリズム、より緻密に組まれたアンサンブル、そして勝負どころで炸裂する管弦の一撃——横山克ならその温度差を精密に描き分けてくるだろう。放送は10月からだが、サントラの発売形態や配信、さらには第1期からの新録・アレンジの有無など、続報を待ちたい要素は多い。「サッカーの音」を継ぐ夏として、2026年秋アニメの劇伴注目株の筆頭に挙げておきたい一作だ。

2026年秋、劇伴で追いかけたい理由

スポーツアニメの音楽は、勝敗の瞬間だけを盛り上げれば良いというものではない。試合前の静かな緊張、ベンチでの葛藤、走り込む足音の裏で流れる呼吸——その“余白”をどう鳴らすかで作品の説得力が決まる。第1期で横山克が示したのは、派手なアンセムに頼らず、無音と最小限の音でピッチの心理戦を可視化する手つきだった。Season2の舞台であるAチームは、才能がひしめく戦場だ。個の音が集団の音へと編み上げられていく過程こそ、劇伴の腕の見せ所になる。10-FEETとヒグチアイという対照的な主題歌の間で、横山克のスコアがどんな橋を架けるのか。放送まで残り約2か月半、まずは第1期サントラを聴き返しながら、その日を待ちたい。