ゲーム音楽好きにとって、秋の恒例行事になりつつあるのがこれ。ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が10月1日、「PlayStation® Game Music大賞 2026」の開催を発表しました。PlayStationフォーマットで出たゲームのサウンドトラックを対象に、Spotifyでの再生回数とファンの応援コメントで表彰するという、ちょっと変わった“賞”です。審査員の好みではなく、みんながどれだけ聴いたかで決まる。劇伴の人気を数字で可視化する試みとして、今年も注目しておきたいところです。

仕組みはシンプル──「聴いた回数」がそのまま票になる

PlayStation Blogによると、ノミネートは20作品。SpotifyのプレイリストPlayStation Game Musicで人気の作品から、ブログ編集部が選んだものです。集計期間は10月1日(木)から10月31日(土)23:59(日本時間)まで。この期間のSpotify再生回数がもっとも多かった作品が「最多支持作品」に、ノミネート作に寄せられた応援コメントをもとに「特別賞」が選ばれます。結果は12月上旬に発表予定で、ランキングの公開や作曲者インタビューも予定されているとのこと。応援コメントを送ると、抽選で50名にPlayStation Storeチケット2,000円分が当たります。

つまり、推しのサントラを「普段どおりに聴く」ことがそのまま投票になる。劇伴を応援する方法として、これほど手軽なものはなかなかありません。

ノミネート20作を眺めて気づく、3つの傾向

ノミネート一覧を並べてみると、GBmedia的に面白いポイントがいくつか見えてきます。

  • “懐かしの名盤”の再浮上:『R4 -RIDGE RACER TYPE 4-』(初代PS・1998年)、『エースコンバット04 シャッタードスカイ』(PS2・2001年)、『RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚』(原作はPS2・2006年)、『流星のロックマン パーフェクトコレクション』(原作はDS・2006年〜)、『龍が如く 極3』(原作はPS3・2009年)。20作中5作が、元をたどれば90〜00年代に生まれたゲームの音楽です。リマスターやリメイク、サントラの再発・配信をきっかけに、昔の名曲がストリーミングの土俵に上がってきた格好です。
  • 格闘ゲームが3作:『Marvel Tokon: Fighting Souls』『Street Fighter 6 [Year 2]』『餓狼伝説 City of the Wolves』。キャラクターごとのテーマ曲が“推し曲”になりやすいジャンルだけに、再生回数勝負では侮れません。
  • 和の音を鳴らす大作:『Ghost of Yōtei』は、音羽燈真(Toma Otowa)が音楽を手がけた蝦夷地が舞台の時代劇アクション。『仁王3』『真・三國無双 ORIGINS』と並べると、日本や東アジアの歴史を題材にした作品の劇伴が一定の存在感を持っているのがわかります。

ほかにも『Death Stranding 2: On the Beach』『ELDEN RING NIGHTREIGN』『バイオハザード レクイエム』『PRAGMATA』『モンスターハンターストーリーズ3』と、話題作がずらり。『Battlefield 6』『Borderlands 4』という洋ゲーの大型タイトル、『Sonic Racing: CrossWorlds』、そして『ワンス・アポン・ア・塊魂』まで、ジャンルの幅もかなり広めです。

昨年はインディーが1位──今年の“台風の目”は?

ちなみに前回「PlayStation Game Music大賞 2025」(2025年12月10日発表)で第1位に輝いたのは、集英社ゲームズの『都市伝説解体センター』のサウンドトラックでした。2位『FINAL FANTASY XVI』、3位『Monster Hunter Wilds』と大作が続くなか、インディー発の作品がトップを取ったのは象徴的な出来事です。また、昨年は『みんな大好き塊魂』のサントラが5位に入り、『塊フォルテッシモ魂』が特別賞の「ファンタジーサウンド賞」を受賞。塊魂シリーズは今年も『ワンス・アポン・ア・塊魂』でノミネートされていて、シリーズとしての“強さ”を再び見せられるかが見どころです。

個人的に注目したいのは、懐かし枠の5作がどこまで食い込むか。新作は発売直後の勢いで再生が伸びやすい一方、レトロ作品は「昔遊んだ人が繰り返し聴く」という粘り強さがあります。たとえば『R4』のクラブミュージック寄りのサウンドや『エースコンバット04』の重厚なオーケストラは、いまでも根強いファンを持つ定番。ストリーミング時代に入ってから、こうした旧作の劇伴が新しいリスナーに届く場面は確実に増えています。その流れが数字でどう表れるのか、12月の結果発表が楽しみです。

参加するなら、まずプレイリストから

ノミネート作の代表曲は、公式のSpotifyプレイリストにまとめられています。全部を聴き込む時間がない人も、まずはここから気になる作品を探して、気に入ったアルバムをフルで再生する──それがいちばん効く“一票”です。応援コメントは特設サイトから投稿できます。お気に入りのゲーム劇伴に、10月中にしっかり再生回数を積んであげましょう。