1996年9月20日、PlayStationで一本のRPGが発売されました。『女神異聞録ペルソナ』。高校生たちが“もう一人の自分”を呼び出して戦う──いまや世界的シリーズになった「ペルソナ」の、まさに第一歩です。そのちょうど30年後の2026年9月20日、アトラスは公式YouTubeで「ペルソナ30周年スペシャル生放送」を配信し、音楽ファンにとって見逃せない発表を2つ並べてきました。ひとつは『女神異聞録ペルソナ』オリジナル・サウンドトラックの配信開始(9月21日0時〜)、もうひとつは『ペルソナ4 リバイバル オリジナル・サウンドトラック』(2027年2月18日発売)の予約開始です。30年前の“始まりの音”と、これから鳴る“よみがえりの音”が同じ夜に告げられた。これはもう、劇伴ブログとして書かずにいられません。

PS1版の“原典”が、ようやく誰でも聴ける場所に

今回配信されたのは、1996年のPS1版の音楽です。海外メディアでは収録曲数が109曲と報じられており、Spotify、Apple Music、YouTube Musicなど主要サービスで世界同時に聴けるようになりました。ジャケットはPS版パッケージを彷彿とさせるデザインで、30周年らしい“原点回帰”の顔つきです。

ここで押さえておきたいのが、同じ『ペルソナ』でも2009年のPSP版は音楽がほぼ総入れ替えされている、という点。PSP版のサウンドトラックは2026年4月に先行して配信されていて、川村ゆみが歌う「Dream of Butterfly」など、のちのシリーズに通じる歌モノ路線をすでに聴くことができました。つまり今回の配信で、“初代ペルソナ”の2つの音楽的な顔──PS1の原典と、PSPで塗り替えられた新版──が、ついに両方ともストリーミングで並んだわけです。

PS1版のクレジットには、目黒将司、土屋憲一、青木秀仁、沖部美咲といった名前が並びます。のちに『ペルソナ3』以降でアシッドジャズやJ-POPを大胆に持ち込み、シリーズの“音の顔”を決定づけることになる目黒将司の、若き日の仕事がここに入っている。海外のレビューでは「現代の基準では少し古びて聴こえる」とも評されていますが、90年代のPS1音源ならではのザラついた質感こそが、この配信のいちばんの聴きどころだと思います。後年の洗練を知っているからこそ、その“手前”の音が愛おしくなる。

『P4 リバイバル』サントラは4枚組、全曲解説52ページ

そして未来側の発表が『ペルソナ4 リバイバル オリジナル・サウンドトラック』。ゲーム本編と同じ2027年2月18日発売、CD4枚組・スリーブケース付き・税込5,500円(品番AGM-017〜020)です。

  • 新ボーカル・佐々木詩織:『ペルソナ4』『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』の人気曲が、新しいサウンドアレンジと佐々木詩織の歌声でよみがえる
  • 新規楽曲:『ペルソナ4 リバイバル』のために作られた新曲も収録
  • ボーナストラック:ゲーム未収録となる「Pursuing My True Self」「Shadow World」の新アレンジ版
  • 52ページのブックレット:作曲・編曲者による全曲解説つき

2008年のオリジナル『P4』は、目黒将司の音楽と平田志穂子のボーカルが一体になって「八十稲羽の空気」をつくっていました。あの声を新しい歌い手に託すというのは、リメイクにとっていちばん勇気のいる決断です。だからこそ、52ページの全曲解説が効いてくる。どの曲をどう変え、何を残したのか──作り手自身の言葉で“リメイクの設計図”が読めるサントラは、実はそう多くありません。聴き比べ派には最高の教材になりそうです。

30周年の音は、2027年3月の横浜へ続く

さらに9月23日には、大型音楽イベント「PERSONA SUPER LIVE 2027」が2027年3月19日〜21日の3日間、横浜BUNTAIで開催されることも発表されました。2022年の「PERSONA SUPER LIVE P-SOUND WISH 2022」以来、5年ぶりのスーパーライブです。出演者などの詳細は今後の発表待ちですが、2月に『P4 リバイバル』の新アレンジが世に出て、その翌月に3DAYSのライブ──という流れを見ると、新しい歌声がステージで鳴る瞬間を期待せずにはいられません。

ゲーム音楽の“アーカイブ”と“リメイク”が同時に進む今、30年前のPS1音源を一度通して聴いてから『P4 リバイバル』を待つ。そんな聴き方が、この周年のいちばん贅沢な楽しみ方なのかもしれません。まずは9月21日から配信中の『女神異聞録ペルソナ』で、シリーズの“最初の一音”に触れてみてください。