2024年に始まった『ヤマトよ永遠に REBEL3199』が、ついに終わりを迎えました。最終章となる第七章「虹色の輪廻」が10月30日(金)から劇場上映をスタート。そして同じ日に、第五章以降の劇伴を中心に収めた『ヤマトよ永遠に REBEL3199 オリジナル・サウンドトラック Vol.02』(UHQCD 2枚組、LACA-19201〜19202、4,180円・税込)と、オープニングと各章のエンディングをまとめた『主題歌集』(LACA-25307、3,300円・税込)が、バンダイナムコミュージックライブから同時にリリースされました。
音楽のクレジットは「宮川彬良・兼松衆/宮川泰」。オリジナル『宇宙戦艦ヤマト』の音楽を書いた宮川泰、その息子の宮川彬良、そして若い世代の兼松衆。三つの名前がひとつのスラッシュでつながっているこの表記こそが、REBEL3199の音楽をいちばん端的に語っています。
Vol.01は第五章と、Vol.02は第七章と──“上映日に盤が出る”という設計
おさらいしておくと、前作にあたる『オリジナル・サウンドトラック Vol.01』(LACA-19161〜2)は2026年2月20日、第五章の上映開始日に発売されています。今回のVol.02は第七章の初日。つまりサントラは、物語が大きく動く節目の日に合わせて“2回に分けて”届けられたことになります。劇場で聴いたばかりの音を、その日のうちに手元で聴き直せる。シリーズを追いかけてきた人にとっては、なかなかうれしい段取りです。
パッケージ面も気合いが入っています。
- ジャケット:シリーズのイメージ画を手がける麻宮騎亜の描き下ろし。アリゾナ級戦艦アリゾナとグランドリバースが描かれています。
- フォーマット:Vol.01と同じくUHQCDの2枚組。通常のCDプレーヤーで再生できます。
- 特装限定盤(LACZ-10377〜10378、15,180円・税込):Vol.01・Vol.02のジャケット絵柄を使った333×333mmのキャンバスボード2枚付き。A-on STORE、YAMATO CREW、劇場のみでの取り扱いです。
「メロディーを失ったらヤマトじゃない」──親子二代の“継承”
Real Soundに8月に掲載された宮川彬良と兼松衆の対談では、ふたりがREBEL3199の音楽をどう作ってきたかがかなり具体的に語られていました。宮川彬良は、父・宮川泰のメロディーを受け継ぐことをこの仕事の芯に置き、メロディーこそがヤマトの中心で、それを失えばヤマトではなくなる、という趣旨の話をしています。
一方の兼松衆は、まず旧作のスコアや古い録音を研究し、オリジナルのサウンドトラックを“再現”するところから始めたといいます。原典の呼吸を体に入れてから新曲を書く。さらに、最近のアニメやドラマの劇伴ではメロディー主体の音楽が減り、歌ものと劇伴が分かれていく傾向がある、という指摘もしていました。だからこそ、メロディーで物語を背負うヤマトの劇伴は、いまの時代にはむしろ貴重なのだと思います。
面白いのは制作の進め方です。音響監督の吉田知弘が章ごとに必要な音楽のメニューを整理する一方で、いちばん刺激になったのは福井晴敏総監督が物語を語って聞かせる打ち合わせだったそう。宮川彬良は、場面に合わせにいくよりもヤマトの“魂”をつかみ、単独でも成立する一曲を目指すと語り、監督陣からは「好きに泳げ」と任されていたとも。曲名もM番号ではなく、キャラクターや状況の名前で付けられているといいます。
アレンジについて宮川彬良が口にした「バリエーションのようでいてバリエーションじゃない」という言葉も印象的でした。おなじみの主題を変奏しているようで、実はそれぞれが独立した一曲として立っている。対談では、兼松衆の書いた「デザリアムの弦楽四重奏」を宮川彬良が称えるくだりもありました。デザリアムの物語が核心に迫る後半の章を収めたVol.02で、この“敵側の音”がどう響くのかは、聴きどころのひとつになりそうです。
最後の一曲は、1980年の「新銀河誕生」から
そして最終章のエンディング。八神純子が歌う「遥かへ、永遠へ」(作詞:松井洋平、作曲:宮川泰・宮川彬良、編曲:宮川彬良)は、1980年の劇場版『ヤマトよ永遠に』で宮川泰が書いた「新銀河誕生」のメロディーをもとに、宮川彬良が新たにアレンジした曲です。
八神純子は1983年の『宇宙戦艦ヤマト 完結編』で、自ら作った「ラブ・シュープリーム ~至上の愛~」を、宮川泰の指揮するオーケストラとともに録音しています。40年以上の時を経て、彼女が今度は宮川泰と宮川彬良、親子の名前が並ぶ曲を歌う。この一曲だけで、REBEL3199が何を“継いで”きたのかが伝わってきます。
『主題歌集』にはささきいさお「宇宙戦艦ヤマト(3199 OP Ver.)」、岩崎宏美「銀河伝説」、小野大輔「Reach for the Star」、TRUE「ユーレカ」なども並びます。劇伴の2枚組と主題歌集を続けて聴けば、全七章の旅をもう一度、音だけでたどり直せるはず。2012年の『2199』から始まったリメイクシリーズの大きな節目に、親子二代と次の世代が一緒に鳴らした“ヤマトの音”を、ぜひじっくり受け取ってください。