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株式会社アテナ

薬屋のひとりごとの劇伴が驚くほどの正当進化を遂げて帰ってきた!

このアニメのシーズン2を待ちに待った人達も多いのではないでしょうか。前シーズンは2023年秋のアニメの中でも呪術廻戦、ウマ娘に次ぐ3位の人気を誇った薬屋のひとりごと。元々アニメ化前の原作ライトノベルから非常に高い人気を得ていたので当然といえば当然なのかもしれませんが、失礼ながら2023年放送前はまさかここまで反響の大きい作品になるとは思っていませんでした。

しかしながら、アニメを見てみると王道の少女漫画要素や変化球な少年漫画的要素など、さまざまな層に興味を持たれるような仕掛けが沢山施されていて、なるほどこれは良質のアニメだなと妙に納得した覚えがあります。いわゆる「なろう系」という小説サイトからの作品らしい部分、なんと表現したら良いかわかりませんが、何してもうまくいってしまうという無敵感的なものでしょうか。SNSなどでは主人公の猫猫は女版キリトと呼ばれていたりするようです(ちなみに余談ですが、ソードアートオンラインはなろう系ではありません。しかし、作風がなろう系作品に与えた影響はおそらくかなり大きいでしょう)し、見目麗しい宦官とのロマンスなんかは昔から女性の憧れのジャンルの一つと呼べるでしょう。

薬屋のひとりごとの特徴のひとつである昔の中国っぽい世界観の描写も、中国の方が「なんでこんなに良いアニメが国産じゃなくて日本産なんだ!」というような絶賛の声をSNSなどにあげているそうです。

1期よりさらに「中華風」の様相が深まった劇伴

1期の始まりは鉄琴もしくはピアノの硬い音で弾かれた和音のような、綺麗で凛とした音で物語はしっとりと始まりましたが、今作の始まりは「ザ・中華!」と言った雰囲気の劇伴からスタート。そうそう、中国っぽい曲といえばこんな感じだよねという、まさに痒いところに手が届く劇伴。二胡(アルフー)や古琴(グーチン)といったいわゆる中国漢民族の楽器を使い、西洋音楽と違い「ファ」「シ」の音を使わない五音音階で彩られた、にぎやかな楽曲。広い広い中国大陸に根付く、力強くも人懐こい雰囲気が空気感やその場にいるような臨場感まで伝わってくるようです。

そして場面転換でピアノとストリングスの綺麗な和音、また場面転換。次はまた中華っぽい音階を使ったテンポの気持ち良い楽曲に変わり、さらに場面転換、三弦か琵琶かはわかりませんが弦楽器の一振りから今度は歴史を感じさせるようなゆったりとして荘厳な雰囲気のピアノ、それに絡むように中国笛や漢民族系弦楽器の音がメロディを合わせてくる…と言ったように、息つく間もなく展開されていく場面場面に合わせた楽曲がコロコロと変わり、2期が始まったんだなというワクワク感と世界観の説明を音楽と少々の場面転換だけで済ませてしまうという思い切った手法が見ていてとても楽しいです。

1期で得ていった確かな人気で、その続きを待っていた人達にも、名前は聞いたことあるから2期だけど見てみようかな、というはじめまして勢でもすぐに世界観を理解して物語に入り込めるような劇伴は、さすがの一言です。

ちなみに劇伴の作者は神前暁氏、桶狭間ありさ氏、Kevin Penkin氏の3名と他のアニメに比べて作曲家さんが多いですが、見続けていても良い意味でどれが誰の楽曲かわからず、しっかりと薬屋のひとりごとという作品に沿った出来になっているのが、アニメを見続けていくとわかります。是非ともそんな素晴らしい劇伴とともに今作を視聴してみてはいかがでしょうか!

公式サイトhttps://kusuriyanohitorigoto.jp/season2/より引用

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