今期のアニメは注目度の高いものが多く、はてどれから見たものかと思っていた中で、SNSではかなり楽しみにしているという声がたくさん聞こえているのに、全く注目できていなかったアニメがあった。それがこのババンババンバンバンパイアである。週刊少年チャンピオン連載の漫画らしく、今年の2月には実写化も控えていた(しかしこちらは、主演である吉沢亮さんがお酒で少々失敗した件で公開延期となっているが)というほどの有名作品だという。
原作者である奥嶋ひろまさ氏は漫画家の古屋兎丸氏の作品(代表作、帝一の國等)のファンであるらしく、言われればなるほど、綺麗な線で描かれた耽美な雰囲気の絵柄で、真面目に馬鹿な事をするという作風がなんとなく共通点なのかもしれない。
主人公のバンパイアは森蘭丸という名前なので「なるほど、あの有名な小姓からとった名前なのかな」と思っていたら、アニメ1話の回想シーンで織田信長が出て来たのでなるほど森蘭丸そのものがバンパイアなのかと理解した。年齢も450歳という事で合致する。
基本的にはそんなバンパイアと準主人公の高校生男子との物語である。18歳の童貞の血をどうしても飲みたいバンパイアが、男子高校生の恋路を邪魔していくというもの。WikipediaにはBLと書いてあったが、これはいわゆるボーイズラブではなくブラッディ・ラブコメの略称らしい。ハマる人は絶対ハマるだろうなぁという世界観が新しい。
一言で言えばとても懐かしい感じ!銭湯が舞台だし、タイトルがこれだからあの有名なドリフターズがカバーしているデューク・エイセスの名曲「いい湯だな」をパロった楽曲なんかが登場するのかと思いきや、かなり正統派なギャグとシリアスをいったりきたりするアニメの劇伴といった感じで、非常に多種多様な楽曲が散りばめられている事に驚く。
ギターが主役になっている楽曲も多く、特にギャグパートでかかる楽曲はほのぼのしつつリズム感もよく耳馴染みが良い。国民的アニメでかかっていそうな楽曲という感じ。
シリアスパートは、恐怖感を煽りすぎない程度にバイオリンやチェロの音が入っていて、アニメの絵とガッチリ合っている。あえて悪い言い方をすればあまり特徴が無いとも言えるが、それは劇伴にとっては素晴らしい特徴とも言える。アニメの世界観に合っているからこそ目立たない、それでいてしっかりと絵だけでは伝わり切らない場面場面のキャラクターの心情を表現出来ていると言えるからだ。
これから様々なシーンで新しい劇伴が聴けると思うととても楽しみだ。
作曲者は市川淳さん。非常に多くの作品に多彩な劇伴を作られている作曲家さんで、洗足音楽大学の講師もつとめられているそうです。ご本人も1話からかなりたくさんの楽曲を使ってくれている、とX(旧Twitter)で述べているのでアニメの続きでももっとたくさんの楽曲が使用されていることが予想される。市川淳さんの他の劇伴の代表作といえば、ミルキィホームズや真・中華一番、劇場版シルバニアファミリーなど。
古くは(この作品はアニメではないけれど…)ぼくらの七日間戦争などにも作品を提供している大御所であり、ババンババンバンバンパイアの劇伴ももちろん名作と言って差し支えない劇伴になっていると言えるでしょう。
SNSで早くも話題となっているババンババンバンバンパイア、まだまだ始まったばかりなので是非ともアニメを追いかけてみてはいかがでしょうか。

公式サイトhttps://bababa-anime.com/より引用