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株式会社アテナ

天久鷹央の推理カルテの劇伴のギリギリ感が癖になりすぎる

恥ずかしながらこの作品、アニメを見るまで知らなかったのですが、まず何よりとても面白くてこの記事を書く事を忘れて最新話まで見漁ってしまいました。それもそのはず、原作の小説はアニメが開始した2025年1月時点で350万部も売れているベストセラー作品。キャラクターの雰囲気がどこか見た事ある…と思っていたら、なんといとうのいぢ先生がイラスト担当。4月からは橋本環奈さんが主役でドラマ化もされるという。そりゃ注目度も高いワケです。

この作品は主人公である天久鷹央が探偵役となる推理ものでありますが、かなり変わった設定になっており、まず職業が医者でかなり偉い立場(親族が経営する病院に勤めている)。医局の屋上のような場所の離れの家屋に住んでおり、助手役も自分の部下で医者という設定。事件の真相をめぐる解剖医とかではなく、統括診断部。探偵モノでは中々見ない設定で面白い。診断医としての能力を使い、謎を解いていく様もスカッとして素晴らしいし、推理が始まる部分のバンクシーンもカッコ良ければ(劇伴もめちゃくちゃかっこいい!)推理がバシッと決まった時の劇伴も快感。見ていて気持ち良いアニメである。

劇伴のスリリングさがたまらない

普通、劇伴は大体あまり目立たないものが多い。むしろそれが王道だと思う。あくまで主役は物語であり、映像や音声だからだ。感動的なシーンなどの裏にうっすらとかかっていて、その場面の解像度、感情移入度を上げてくれたりするのが劇伴の主な仕事と言える。

しかし、天久鷹央の推理カルテでは「え、このシーンなんでこんな音楽がなってるんだろ?」というぶっ飛んだ使い方がされている場面があったりする。例えば第一話の冒頭でPCをいじっているシーンでかかっているのはジャズだ。あえて読み取るとするなら、天久鷹央の自由奔放さを表すために即興(≒自由な音楽)というイメージのジャズを鳴らしているともとれるが、むしろ「かっこいいから」という理由で鳴っていると言われた方がしっくりくる感じだ。キャラが立っているドラマの劇伴にも近い使われ方な気がする。しかもその後、院内で働いている助手役の小鳥遊優に場面が移り変わっても鳴り続けている。そして、天久鷹央が椅子から立ち上がり歩き始めるシーンでかかるのはまず骨太なバスドラムの音とピックスクラッチから始まるミドルテンポのハードロックナンバーだ。おお、この人物は威風堂々としていて、なんとなく傍若無人なのかなぁ、と人物像を勝手に想像したくなるようなカッコいい曲だ。いきなりジャズとハードロック。今までのアニメの劇伴となんかが違う!めっちゃ目立ちまくってる!と。

気になったので作者を調べてみると、なるほどと思った。

fox capture plan(以下fcpと表記)という三人組のメチャクチャかっこいいバンドが担当しているのだ。ドラマやCM、ゲームやアニメなど様々な場所に楽曲を提供しているジャズロックバンドで、フジロックフェスティバルやサマーソニックなんかにも出演している実力派。言われてみれば冒頭の曲たちなんて特にfcp節全開といった曲だった!(作者を調べるまで気付かなかったけど)流石の格好良さで聞いてて気持ちが良い…やっぱりこういったストーリーにはバッチリハマっているように思う。もちろんオーソドックスにシーンにピッタリハマるような劇伴もあるけれど、どこかヤンチャな曲たちが多く聞ける天久鷹央の推理カルテ、必見です。

公式サイトhttps://x.com/Ameku_offより引用

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