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株式会社アテナ

ルックバックついにサブスク登場!途方もないパワーの劇伴について語りたい(前編)

ルックバックは、ジャンプ+で読んだ時からものすごい衝撃的だったことを覚えている。読み切りとしてはかなりページ数の多い作品だったのに、読み終わってすぐに冒頭から読み返した。1週目だってじっくり読んだのにも関わらずだ。映画館で見た時だって、本当はそのまま座って2週目を見たかったくらいだ。サブスクではすぐにそうした。サブスクは何度見ても怒られない。そして、その劇伴の素晴らしさに何度だって涙した。

そんなわけで、もしよければ是非ともこの駄文を読んだ後にもう一度、ルックバックをあなたに見て欲しい。

まずオープニングからもう素晴らしい。時代背景的には、インターネットで辿り着いたHPの画面が懐かしい雰囲気な所から少し昔だという事がわかる。しかしその前に、夜の街から主人公が黙々と絵を描くシーンにズームアップしていくシーン(冒頭)に流れる劇伴のはじめに、リバースサウンドが多数使われている。「ルックバック」というタイトルからもわかる通り、これは過去を思い出している物語なのだということをリバースサウンドで表しているのだろう。このリバースサウンドは作品中で何度も流れてくる。心の原風景とも呼べる自分の人生の濃い部分を思い出している間、美しい旋律に混ざってリバースサウンドが心地よく混ざり合う。

冒頭の曲も、無数のリバースサウンドの後にピアノの美しいサウンドを中心としたオーケストラが流れる。完璧。リバースサウンドで過去回帰という手法は、めちゃくちゃに珍しいものでもないのだろう。しかし、それでもこれだけどの曲にも(主題歌にも)入れて、そのどれもが完璧だったと思わせるような、劇伴曲と主題歌が繋がっているような、全てが連作のような作りになっている劇伴を聴いた経験は、少なくとも筆者は初めてだった。全てのリバースサウンドが、布石であり伏線になっているかのような…ともかく、物語との結びつきと合わせて曲を描いていったのだとすると本当にその天才性に舌を巻く。

次は人生で初めてであろう挫折に向き合い、それでも前を向いて走り出し、繰り返し繰り返し絵を練習しまくるシーン。弦楽器の綺麗な音が静かに入ってきて、だんだん強く大きくなっていく音、耳に残る上昇フレーズ、その後のスネアドラムのロール音とともに流れてくる、勇気が湧いてくるようなメロディ。どんどん流れていく季節と風景、積みあがっていくスケッチブックや指南本。先の見えない努力というものは本当に怖いものだ。指針は自分の中にしかなく、努力をすればするほど、上には上がいると思い知らされる。これは自分のレベルが上がって世界の広さを知った事で自分の位置が見えているから、ダニングクルーガー効果で言えば、啓蒙の坂を上り始めている証なのだが、いかんせんレベルアップに自分では気付けないどころか周りばかり凄いと思い込んでいる状態だったりするので、メチャクチャに苦しくもある。内輪で褒められるだけのレベルの殻を破るためにはここは避けては通れないが、この坂を登り始めた序盤なんかは特に人に褒められたりもしない上にルックバック本編のように、他人が意見をいってきたりする。今なら引き返せるぞ、ちゃんと周りに合わせろ…などなど。ガソリンは自らのモチベーションだけなのに、それを周りが削いでこようとするわけだ。これは余談だが、人と違う道を行こうとするとき、ダニングクルーガー効果で言う馬鹿の山を登っただけの人間が講釈をたれてマウントを取ってこようとすることもよくある。

そんな、どのクリエイターも必ず通って来た最初の挫折と、本当の挑戦の始まり。確かに自分の中で感じる手応えなんかが、ここでかかる劇伴に詰まっている。素晴らしいの一言に尽きるし、あの日の気持ちを思い出させてくれてありがとう、と言いたくなる音楽だ。

ルックバックはまだまだ続く。序盤でここまで心揺さぶられて、最後まで保つのだろうか…!

というわけで、後半へ続く…

公式サイトhttps://lookback-anime.com/より引用

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