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株式会社アテナ

ルックバックついにサブスク登場!途方もないパワーの劇伴について語りたい(後編)

後編である。前回は本編の前半までしか語れなかったが、後編では残りを語っていきたい。とはいえ、本当の最終盤はネタバレなしには説明出来ない部分が多すぎるので、駆け足になってしまうだろうが語っていこうと思う。

まずは前回の続き、小学校を卒業して、藤野がもう一人の主人公の京本と初めて出会うシーンの後。降りしきる雨の中、傘もささずに雨ざらしのまま踊るように帰宅する場面。ルックバックの中でも1,2を争うくらい記憶に残るシーンだろう。ここで鳴る音楽は、雨が降っているのにめちゃくちゃ晴れやかだ。雲の隙間から晴れ間がさして、暖かい日差しが降り注いでいるかのような綺麗な弦楽器とピアノの音色。徹底して明るいコードが使われており、トニックからコード進行も藤野の気分のように上昇していく。トニックは解決・着地のコード。ここにきてようやく自分がライバル視していた京本は実は自分のファンであった。努力は無駄ではなかったと確信できたのだ。クリエイターは、どうして作品を作るのか。何年も認められずにいてもやめずに自分と向き合えるのか。それは作品を作り、他人に認められて良い評価を下されたという思い出があるからだ。成功体験があるからだ。それがあれば、たとえ曇天でもスキップしながら走り出せる。それは売れている、知名度があるなどは関係なく、つまるところ全てのクリエイターがその繰り返しの中でもがいているのだと思う。そして、その「他人に認めてもらえる」という供給がなくなった者から順に、作品を作る事が出来なくなっていくのだ。

その後、二人は友達になり漫画を共同で作り上げていく。そして完成した漫画は夢の第一歩にまで届くほどの評価を得る。また劇伴が流れる。上記の曲と同様、晴れやかで穏やかな曲。でもピアノの音数は多く、音階を踊るように波打つ。その軽やかなメロディは未知の世界に飛び込んで、ドキドキワクワクしている二人の少女の心情とぴったり重なる。

さらに場面は転換していき、二人は色々な体験をもとに次々と作品を作り上げていくというシーン。基本的にこの作品は、言葉を少なく、音楽と絵の力で二人の関係性やその時の心情を表現している場面が多い。だからこそルックバックは数多のクリエイター達の心をつかんだのだろうと思う。このシーンで使われている音楽も、1周目と2周目だと感じ方が変わってくるはずだ。1周目は穏やかで充実したような優しいピアノサウンド、木琴や鉄琴の音が特徴的な、前向きな曲に聞こえる。2周目に劇伴を聞いた感想は詳しく書いてしまうと盛大にネタバレしてしまうので書けないが、前編で語ったリバースサウンドがそのカギとなっている。

次に劇伴がかかるシーンは、連載が始まり忙しくなっていく場面。今までのピアノと弦楽器を中心としたオーケストラサウンドと一転して、電子音がメインの機械的なサウンドになる。テンポも早く、忙しい毎日といった雰囲気だ。それでもそこに悲観的な響きはなく、新しい挑戦と新しい環境、自分の作品と向き合う膨大な時間を感じさせるような壮大な音運びになっている。特に、スネアドラムが入ってくるあたりからは少しずつ自信のようなものが芽生えているような頼もしさも感じられる。

次のシーンの劇伴は、ネタバレなしではあまり語ることがない。前編からずっと言ってきたリバースサウンドの意味合いに、1周目で初めて視聴者達が気付く場面になっている。是非ともこれはルックバックを視聴して聞いてみてほしい。この次のシーンもそうだ。ここに関してはピアノオンリーで作られたサウンドになっている。いっさいリバースサウンドは入ってこない。この先はネタバレなしでは語れない。というわけで、一周した人も、まだ未視聴の方も是非とも劇伴に注目してルックバックを見てみてほしい。間違いなく、大傑作である。

公式サイトhttps://lookback-anime.com/より引用

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